今回は株やFXをやる方であれば、全員が知っておかなければならない『雇用統計』に関して説明して行きたいと思います。
この記事で解決できるお悩み
雇用統計とは
雇用統計で発表する指標について
雇用統計によるFX(為替)への影響について
雇用統計とは
世界経済においていくつか重要な指標というのがありますが、その中でも特に重要だと言われる指標が、『米国雇用統計』です。世界経済の中心であるアメリカの雇用情勢が、毎月1度発表されるのですが、その指標発表のことを『雇用統計』と言います。
米国雇用統計の情勢は世界経済に影響を及ぼすので、ニュースなどで速報になるほど重要度が高く、マーケット(為替や株式市場)に大きな影響を及ぼします。
なぜなら、米国雇用統計の結果がアメリカの景気状況を表す指標であるので、発表時には為替相場に大きなインパクトが発生します。
一般的には上記の画像のような変動が起きる傾向となっているのですが、事前に予想している投資家も多い状況ではあるので、必ず上記画像に記載されている方向に相場が動くといった訳ではないです。時には予想外の方向に行ったと思ったが直ぐに戻って逆方向に動いたなどもあります。
アメリカは世界のGDPの約4分の1を占めている。その為、アメリカの景気動向は世界全体の経済にも影響することになるので、米国雇用統計は世界中の投資家が注目しているのです。
ADP雇用統計
ADP雇用統計というのもあり、これは頭には入れて置いた方がいいと思うので説明しておきますね。
アメリカの給与計算代行サービス大手のオートマティック・データ・プロセッシング(ADP)社のデータを利用して、全米の非農業部門雇用者数の予測をするために開発された統計という物です。このADP雇用統計は米国雇用統計が発表される2営業日前に発表されます。
米国雇用統計の結果が値動きに影響を与えることは非常に多いので、それの予測ができる一つの統計として投資家が注目している統計になります。初心者のみなさんも一応確認してみるといいと思います。
雇用統計で発表される指標について
米国雇用統計では、雇用に関する統計が発表されるのですが、発表される項目は10項目以上(失業率、非農業部門就業者数、建設業就業者数、製造業就業者数、小売業就業者数、金融機関就業者数、週労働時間、平均時給など)あります。
その中でも一際、重要と言われる3つの指標が以下になります。
では重要な順に説明して行きますね。
非農業部門就業者数
『非農業部門雇用者数』とは、農業部門を除く産業で民間企業や政府に雇用されている人の数とその増減を表した指標になります。
対象の事業所約40万社・従業員数約4700万人ほどで、米国の約1/3を網羅していると考えられています。米国の雇用情勢を計る、経済指標の中でも最も重要な指標になります。
雇用されている人の数が多ければ多いほど個人消費が拡大するので、景気の状態を表すための指標として『非農業部門雇用者数』は最も重要な指標となっています。
失業率
『失業率』はアメリカ国内の失業者数を就業者数で割って算出されていて、増減と合わせて発表されています。
『失業率』が上昇すると個人消費が減少しますよね。逆に失業率が下がれば個人の消費が増加しますので、『失業率』という数値は、景気の状況を判断するための指標として重要です。
雇用統計の指標の中では、非農業部門雇用者数の注目度が高いのですが、次に高いと言えるのが、『失業率』
平均時給
平均時給は、農業部門以外の主要産業の1時間当たりの平均賃金と、その増減をまとめて発表される指標になります。
当たり前ですが平均時給がのびれば、平均賃金が伸び個人消費が伸びることになるので、景気状況やインフレ状況を認識するための指標として重要と考えられています。
雇用統計によるFX(為替)への影響
米国雇用統計発表時は、FX(為替相場)は普段見せない大幅な上下どちらかへの動きが発生します。特に事前予想とは全く違う『サプライズ』が発生した場合は、さらに大きな動きが発生します。
FXトレーダーとしては、大きな利益幅を狙えるのですが、逆に大きな損失を出してしまうかもしれないというリスク相場ということになります。
では発表前と発表時と発表後の、米国雇用統計とFX(為替相場)の動きについて解説しますね。
雇用統計発表前
雇用統計発表前は基本的にあまり値動きのない動きをすることが殆どです。これは投資家が雇用統計の発表が出るのを待機しているためで、発表前は多くの投資家が静観し動く事がないからです。
雇用統計の発表を前に、自分の取引(保有ポジション)を決済しポジションを保有していない状態にしておく投資家も多いです。特に、テクニカルメインのトレーダーなどはポジションを決済することが多いです。
雇用統計発表時
雇用統計発表時にはドル関連をはじめとする多くの通貨が大きく動きます。発表時刻ちょうどに価格の乱高下が発生します。
事前の予想と発表値が大きく異なる『サプライズ』が発生した場合は、1分~3分ほどの間に米ドル/円(USD / JPY)のレートが1円以上も動くなどもあります。
事前の予想通りの発表となった場合でも、数分間は通常よりも激しい価格の値動きをする場合の方が多いです。まれにあまり値動きが発生しないことも、もちろんあります。
雇用統計発表後
雇用統計の発表後は、大きく動いた価格の調整が発生するので、やはり通常の値動きと比べても激しく価格が変動しやすい傾向が続きます。
翌日の日本時間の土曜日の6:00位になるまで、通常の値動きとは違う動きが継続すると考えていた方が良いでしょう。そして、時間が経つにつれ、通常の値動きになっていき、方向性も判断しやすくなります。
雇用統計における注意点
雇用統計発表時には価格が激しく動く可能性が高いので、通常よりも大きく利幅を獲得可能な場面です。しかし、利幅が狙える反面、大きな損失を出す可能性ももちろん高い場面となります。
雇用統計の発表タイミングで売買はかなりギャンブルという感じになるので、私としてはあまりおすすめはしませんが、もしポジションを保有したまま発表タイミングを迎える場合は、資金管理に注意が必要です。
雇用統計の日程
米国雇用統計が発表される日程ですが、基本的に毎月の第1金曜日 と決まっています。もちろん、発表時間は夏時間と冬時間で違くなり、以下のようになるので間違えないようにご注意ください。
- 夏時間 日本時間 21:30
- 冬時間 日本時間 22:30
雇用統計発表時の注意
もし、雇用統計発表時にポジションを持っていたり、発表時にポジションを持つなどを考えている場合は、通常時には考えられない値動きが発生する可能性があるので、リスク管理つまり資金管理が重要です。必ず資金管理に気を付けて雇用統計に参戦して下さい。
おすすめの資金管理ツールを紹介していますので良ければ参考にして下さい。
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もう一つの注意点は、保有しているポジションの把握と整理です。保有しているのを忘れていたなどでは済まされないので、現状の把握とポジションの半分決済などの整理も検討することをおすすめします。
正直雇用統計は、どちらに動くかはギャンブルなのでしっかりと対策を行っておきましょう。
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